※こちらで述べているものは「医療診断」ではありません。症状に関しては、医師の診断を受けたうえで、参考にしてください。
回避性タイプとは
「傷つくことが怖くて人と深く関われない人」を、ここでは「回避性タイプ」として扱います。このタイプが根本的に抱えている心理は「本当の自分を見せたら人生終わり」とでもいうくらいの強い不安感と警戒心です。
回避性タイプの特徴
あなたには思い当たることがありますか?
断られたり、ダメ出しされたり、他者のネガティブな反応をうまく処理することができません。人との関りが多い仕事には就きたくない、と感じています。
自分に好意をもっていない人とは、あまり関わりたくないと感じます。警戒心があるので、人との間に距離を置き、表面的な関係しか持てません。新しい人間関係をつくるのに時間がかかります。
また、人間関係が深まり、距離が近づけば近づくほど、感情が揺さぶられ、苦しい思いをします。 「どうせ嫌われてしまう」、「いずれ自分から離れていく」などの不安から、相手を試すようなことをしたり、先に自分から遠ざけたりします。
子どものころから家庭の居心地が悪く、一人で空想の世界で自分を紛らわせていました。大人になった今でも、人と関わることで気を遣いすぎてしまい、ひどく消耗するのを感じます。
孤立して一人の世界を楽しみたいわけではなく、 心の奥では人との触れ合いや愛情のやりとりを求めています。そのため、愛されたい気持ちと傷つきたくない恐怖のあいだで葛藤が起こります。
ものごとのリスクやデメリットばかり考えて、決断・行動ができません。不安や焦りから予想外のことが起きてしまうと、動揺してどうしていいかわからなくなります。
失敗を極端に恐れながら、結果失敗に終わる、という人生を重ねているので、「どうせ願いは叶わない」と、自分に対してあきらめています。行動しようと思っても、負の記憶が強く残っているので、活力がわかず、なかなか実行に移せません。
自分の感情こそが「唯一の真実」と思っているところがあり、 一瞬の感情で行動を180°翻す、ということがよくあります。本人からすれば「行く気がなくなった」から取りやめた(自分に正直)だけなのに、周囲の人はその行動を「気分屋」と表現します。
心から愛されたいと思いながら、いざその愛が実現しそうになると、飛び込んでいくことができません。失う怖さや自分が自分でいられなくなる怖さを無意識に回避し、これまでの愛情が嘘のように冷めて、自分の方から断ち切ってしまいます。
回避性タイプの潜在意識システム
このタイプの「核になる欲求」は
ありのままの自分でありたい
ありのままの自分を受け入れてほしい
あなたという存在の出発点には、「ありのままの自分」という想いがあります。
「自分自身でいたいのは誰だって同じだろう」と思うのですが、とりわけ「アイデンティティ(自分であること)」に対する欲求がもっとも強いのがこのタイプです。
と同時に、「ありのままの自分」に対して、最も自信を持てないのもこのタイプ。こんな自分では受け入れてもらえない、と、深くあきらめているのです。
恥をかくこと、傷つくこと、嫌われること、失敗することを極度におそれています。失敗してみじめな思いをするくらいなら、最初からやらないほうがマシだ、と感じています。
「ありのままの自分」を守るために、これ以上傷つきたくないと、感じているのです。
この世は、楽しいことよりも苦痛に満ちていて、自分が何かしようとしたとき、「楽しみ」を感じてワクワクするよりも、「苦痛」や「リスク」を想定して心配にかられるほうが、遥かに多く感じられます。そのため、自分を守るために、消極的になりがちです。
痛みを避け続けることが決していいことだとは、本人も思っていません。けれども、どうやって乗り越えていけばいいのか、わからないのです。頑張って乗り越えようとしても、これまでの人生で、痛みを伴う結果のほうが断然多かったのだから。
そして、避け続けるうちに思考力や意欲、自己評価が下がります。やがて、日常生活でそのものが逃避的になり、引きこもるようになります。
このタイプのアイデンティティはとても傷つきやすくもろく、精神状態が落ちれば落ちるほど、自分の殻にこもってアイデンティティを守ろうとします。
この回避パータンは、人間関係にもあらわれます。
本心では「人とかかわりたい」「深くつながりたい」と思っているのですが、自分から積極的に関係を築いていくことに怖さを感じています。求めてこられると相手をしますが、去る者を追うことはなく、淡々とした引き際です。あるいは、相手が去ろうとする気配をいち早く察知して、自分の方からさっと去るということをします。
あるいは、相手から熱烈に迫られたり、急速に関係が近づいたりする場面で、驚くほどあっさりと「恋愛感情」が引くことがあります。心理的距離が近づくことで、過去のつらい感覚が刺激され、「もう二度と傷つけられたくない」という想いから、無意識に回避行動をとってしまうのです。
または、反動で感情的になり、相手を試したり、突き放したりするような、心にもない暴挙に出てしまい、相手も自分も深く傷つけてしまうことがあります。
このタイプの潜在意識の成り立ち
この潜在意識システムの根幹は、「ありのままの自分でありたい」という欲求です。おそらく子どものころ、愛されるべき人(親・教師など)から、存在を否定されるような体験をしたことが原因になっていることが多いです。
それは、暴言・暴力的なことに限らず、自分がよく描けたと思った絵を、親や先生に「色使いが悪い」とか「男の子らしくない」と言われたとか、そういったことも「否定された経験」になります。
あるいは、家庭での虐待やきょうだい間格差、学校でのいじめなど、本人にとって逃げ場のない苦痛が長期にわたって行われた場合などです。
※こういったことは、事実がどうだったかではなく「本人がどう感じていたか」がポイントです。
このタイプが、深いかかわりを無意識に避けてしまうのは、「ありのままの自分を丸ごと受け入れられたい」、でも、かなわなかった、ありのままであることを許されなかった、何を言ってもムダだ、という悲しい経験があるから。そこから、自分を傷つけないための潜在意識システムが出来上がりました。
しかし、このシステムでは、年齢を重ね、経験を重ねるごとに、「失敗を恐れる→やってみる→やっぱり失敗→自己否定」の思考パターンが強化されました。
そうして大人になり、いつの間にか「ありのままの自分」を直視できなくなりました。
だって「ありのままの自分」とは、今や「失敗や挫折だらけの なにひとつ取り柄のない自分」だから。
ありのままでいるには、あまりにも、ネガティブでダーティな自分。あなたは、そんな自分が許せず、心のどこかで責めているのです。
「ありのままでいること」を一番許していないのは、本当はあなた自身なのです。
ありのままであることは許されない
本当の自分を見せたら人生終わり
このセルフイメージを 根気よく書き換えていく必要がありそうですね。
回避性思考パターンから抜けるために
1. 自分を客観的に知る
まず「自分がどんな潜在意識システム」で動いているか、客観的に把握しましょう。客観的に見ることで、初めて「自分がはまり込んでいた」ことに気づけます。「はまり込んでいる自分」に気づくことが、改善の第一歩です。
回避性パターンの問題は、回避経験を積むごとに影響が深刻化すること。ご自分の問題に気づいたら、信頼できるプロのカウンセラーに相談しましょう。
2. 傷つき体験の癒し
トラウマ的な記憶は潜在意識のシステムに重大なエラーを引き起こします。それがセルフイメージをつくり、システムのエラーを助長します。強い回避依存を引き起こすようなトラウマは、記憶のない胎児期や乳児期のできごとが原因かもしれません。
潜在意識のエラーは、さまざまなレベルで存在しているため、画一的にならない方法でアプローチするのがいいでしょう。
*会話から引き出される気づき
*潜在意識下のエネルギー解放ワーク
*不快な蓄積感情(記憶に残らないような断片的な感覚・感情)の解放
プラス
*心の器を強化するワーク
*日々のセルフイメージ向上ワーク
3. 心を開ける人の存在
安定した精神性で、あなたに愛情をもって接してくれる人とかかわりながら、自己愛を育んでいきましょう。心理的受け皿が整っていない 配偶者や恋愛相手、親しい友人に、いきなりこの役割をになってもらうのは、負担が大きいかもしれません。まずは、信頼できるプロのカウンセラーに相談し、傷を癒し、自己愛を高め、根気よく 心の器を強くしていくことをお勧めします。
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