3歳6か月の男の子(第一子)
赤ちゃんの頃はおとなしくて手のかからない子だった。イヤイヤ期も想像していたほど大変ではなかった。
イヤイヤ期を過ぎたあたりから急に乱暴になり、思うようにいかないとすぐ手が出るように。特に保育園で、毎日のようにお友だちをたたいてしまう。
親子セラピーを実施。
セラピー後、お母さんの意識とかかわり方が変わり、子どもの様子が変化した。
セラピーから2か月ほどたった頃でしょうか?ばったり、道で親子に会いました。近況をうれしそうに話してくれました。
セラピーのあと、お子さんはかなり落ち着くようになりましたが、それでも時折たたく行為は見られていました。
セラピーから1か月ほどたった頃、お子さんがインフルエンザになってしまい、5日間ほど保育園を休んだのだそう。
そこで、お母さんはしっかりと遊んであげたのだそうです。ゲームをしたり、絵本を読んだり。おうちの中で、ゆっくりと過ごせたとのこと。
そして、お休みが明け、保育園が再開し・・・なんとたたく・かじるなどの問題行動が、完全に消失したのだそうです!
あんなに毎日行為が見られていたのに、すっかり様子が変わってしまったのだから。先生に「お母さん、休みの日にいったいなにしたんですか!?」と聞かれるほど、落ち着きのある様子に変わったとのこと。
お話ししながら、お母さんは言われました。もともと落ち着きのない子で、じっとしていることができなかったから、家でも、絵本を最後まで読むことなんてなかったんです、って。
それが、今回のお休みの日は、お母さんと最後まで本を読むことができるほど、内面の変化が進んでいたんですね。そして、5日間、お母さんとしっかりと過ごしたことで、お子さんの中に、お母さんとのつながりがしっかりと育まれたのでしょう。
この世に対する不安でいっぱいだったころは、立ち止まると不信感や疑念が湧いてきてじっとしていることができず、お母さんとも落ち着いた関係を築くことができずにいました。
それが、あらゆる人間関係の不安定さとして、おともだちトラブルに発展していました。
セラピーによって、深層にあるそういったネガティブな感情を解放したことで、お子さんの中に、信頼を育む余地が生まれ、そこからお母さんとのかかわりをとおして徐々に育んできたところへ、5日間の出席停止。
お母さんとゆっくり過ごし、ありのままを受け入れてもらえた感覚が生まれたのでしょう。登園再開したお子さんは、見違えるように落ち着いた様子に変わっていました。
もし、この子がこのまま「たたく子」「扱いづらい子」としてレッテルを貼られながら大きくなっていったとしたら、どうなっていたでしょう。
発達障碍かもしれないと思いつめ、小児科へ相談にまで行ったお母さん。
グレーソーンと言われるお子さんの中には、深層心理の問題からそう行動せざるを得ない子が、一定数います。また、発達障害であっても、セラピー的なかかわりによって、その症状が軽減するケースもたくさんあります。
誰が悪いわけではない。いろいろなタイミングがかさなり、よかれと思ってしていることが、ボタンの掛け違いのようにして、今の状態にいたっている、ということも、多々あるのではないでしょうか?
そして、お母さんがご自分を責める気持ちから脱し、母としての美しい輝きを取り戻し、親子関係に光をさし、お子さんの可能性をどのように開いていけばいいのか、とても考えさせられる事例でした。
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胎児期から影響が、どのように子どもの心理に影響し、それをセラピーによって修正し親子の真の愛が目覚めていくプロセスを書いてみました。
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